2020年2月に発売された、ポテンザストリートラジアルの最高峰である「RE-71RS」。実際に街乗りとサーキットで使用した感想や寿命などを自分なりに紹介します。あくまでも素人の個人的感想ということに留意していただいたうえで参考になればと思います。
POTENZA(ポテンザ)について
ポテンザ (POTENZA) は、ブリヂストンが販売するスポーツドライブ向けタイヤ、およびモータースポーツで使われるレーシングタイヤのブランド名称で、1979年に発売された。ポテンザはイタリア語で“力”、つまりパワーを意味する。
Wikipedia
ブリジストンタイヤのスポーツブランドである「POTENZA(ポテンザ)」。その中でも主に3種類がありカジュアルスポーツの「Adrenaline RE004」、プレミアムスポーツの「S007a」、そしてリアルスポーツの「RE-71RS」があります。※その他にも、より競技専用に近い「RE-12D」、「RE-07D」、「 RE-11S」などあり。2022年3月現在
ラインナップと推奨車種
銘柄 | タイヤの特徴 | 推奨車種 |
RE-71RS | ハイグリップ | スポーツ |
S007a | プレミアム | セダン、スポーツ |
Adrenaline RE004 | カジュアル | セダン、スポーツ、ミニバン、コンパクト、軽自動車 |
RE-71RSの特徴
左右非対称パターン、ローアングルグルーブ(低角度の溝)、アウトサイドショルダー部は溝のない「スリックショルダーブロック」。いずれもブロック剛性を上げるとともに、コーナリング時の接地面積を確保してグリップ力を高めるための技術が惜しげもなく使われています。
ストリート(街乗り)
スポーツタイヤということを理解したうえで購入したので、ある程度の快適性が犠牲になることはわかっていましたが、剛性感はあるものの不快なほどのゴツゴツ感や我慢できないほどのロードノイズは特に感じれらませんでした。
私の乗り方は「ストリート」という部分では90%くらいがエコプロモードでの通勤か近所の買い物なので、アクセルを強く踏み込んだり、強くGのかかるようなブレーキを使うことはほとんどありません。なので、残念ながらドライだろうが雨が降ろうが「RE-71RS」の特性を感じることはありませんでした。あえて、ストリートでのメリットを言うならば「パターンがカッコいい」とか知ってる人が見たら「いいタイヤ履いてるね!」なんて言われるくらい・・・もちろん言われたことはありません・・・。
サーキット(筑波TC200)
サーキットこそがこのタイヤが本領発揮するステージだと思います。
走行日の台数や混雑状況によりますが、1~2周はタイヤを温めつつ自分とクルマの状態の確認と慣らしに使い、その後に条件が良ければアタックします。
1コーナーなどのある程度スピード乗ったストレートからのブレーキングでは、いままでの減速開始ポイントでブレーキを踏み始めるとイメージよりも手前で速度が落ちすぎてしまい、いわゆる縦グリップの強さを感じます。また、ブレーキをリリースしながら、ステアリングを切り始めた時のレスポンスがとても鋭くショルダー剛性も感じられるので思っているよりもシャープに向きが変わるのがわかります。
最終コーナーでも強いグリップ感を感じられ、踏ん張りがとても強くて粘る印象を受けました。その他のコーナーでもその粘るというか踏ん張るのですが、そのことの代償として限界を超えた時の滑り出しは少々唐突で、構えていても反応が遅れることもありました。
タイヤ事体の限界点が高いためか前半はタイヤが鳴くことが少ないですが、5~7週くらいからは熱ダレと内圧の上昇でグリップは低下します。これを感じたらクーリングラップを入れてペースを落としてタイヤを冷ますのですが、さほど回復はしないのでアタックするのであればは3~5周くらいを目安に使い、あとはタイヤやコースの状態、混雑状況をみながら気持ちペースを落として走るようにしていました。
下の画像は1回目の走行後の状態
空気圧について
純正装着のミシュランパイロットスーパースポーツの適正値がフロント240hPa、リアが220hPa。
私がRE-71RSを使用して筑波TC2000を走行した時のデータの一部は下記の通りです。(路面は全てドライコンディション)
日にち | 時間 | 外気温℃ | フロント右 | フロント左 | リア右 | リア左 | |
2021.6.24 | 11:40 | 25 | 冷間(走行前) | 210 | 210 | 190 | 190 |
走行後 | 270 | 290 | 250 | 250 | |||
2021.7.30 | 12:30 | 31.5 | 冷間(走行前) | 200 | 200 | 180 | 180 |
走行後 | 270 | 280 | 220 | 240 | |||
2022.1.13 | 13:00 | 8.5 | 冷間(走行前) | 220 | 220 | 200 | 200 |
走行後 | 300 | 300 | 270 | 300 |
耐摩耗性
公式サイトでは一つ前のモデル「RE-71R」よりも耐摩耗性が5%向上とありますが「RE-71R」を履いたことがないので残念ですが比較できません。2021年6月に「RE-71RS」を新品装着してから次のタイヤへの交換までの実使用の結果は下記の通りとなります。
トータル走行距離 約4,000㎞ 約7か月
うち筑波TC2000 20分(約15周)X7回 =140分/約210㎞ (全てドライコンディション)
フロントは限界ですがリアはあと2~3回使用可能
なお、サーキットなどに使用せず、街乗りのみだったら、20,000㎞くらいは持ちそうな気がします。
RE-71RSのデメリット
価格が高め(他メーカーとの比較)
比較的新しいタイヤなので価格が高めです。
F 225/40R18 | R 245/35R18 | ||
RE-71RS | 希望小売価格 | 57,420 | 67,210 |
RE-71RS | 実売(購入額) | 32,368 | 38,150 |
Pilot Super Sport(純正) | 実売(最安値) | 22,500 | 29,000 |
ADVAN NEOVA AD08R | 実売(最安値) | 29,700 | 34,620 |
DUNLOP DIREZZA ZⅢ | 実売(最安値) | 25,620 | 29,671 |
※AD08RとDIREZZA ZⅢのリアサイズは255/35R18
タイヤカスを拾う
グリップ力の代償か、とにかくタイヤカスをよく拾います。大きなタイヤカスを拾った時にはホイールハウス内側に当たり、なにか故障でもしたのかと思うくらい「バチバチ、バタバタ」という音がすることがありました。
また、タイヤカスがついたまま街乗りに使用すると、当然不快な振動が発生します。
必要に応じて、電動スクレーパーなどで除去したほうがいいかもしれません。
摩耗による性能低下
これに関しては、どのタイヤも同じでいたしかたない事だと思います。特に私の走り方(つまりヘタ)が原因だとは思いますが、フロントタイヤの摩耗が早く、減ってくると極端に舵角に対してのレスポンスが悪くなります。
まとめ
ポテンザのストリートラジアル最強というだけあって、トータル戦闘能力はかなり高く、特によく言われる初期グリップは相当強いです。その分、価格も高めとなっていますがいずれはある程度下がるでしょう。ドライグリップに特化してるとはいえ、ウェットコンディションでのサーキット走行をしてみたかったのが心残りですが、使用してみての満足感はとても高いと感じました。