【その3:回収編】林道初心者の崖落ち記録【セロー225】

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いよいよ今回は崖落ちしたセローを実際に引き上げて回収した様子についてレポートします。当日は必死だったので画像や動画を撮影していませんので記事内の画像は後日、検証に行った時のものになります。

崖落ち回収編
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1日目(崖落ち翌日)

結局のところ、セローを購入したバイク屋さんに相談することにしました。このお店は主に小排気量のスクーターやカブなどが店頭に並んでおり、60代の店主が一人で切り盛りしている昔ながらのバイク屋さんです。(店の奥には初期型ΓやKR250などレアものを隠してありますw)また、なるべくお金をかけずに修理する方法を提案してくれたり、購入時には不具合なども事前にきちっと説明してくれます。店主の趣味としてタイカブ(125ccオフ仕様)で仲間と自分の山(遊び用に購入したらしい)で遊ぶようなので、今回のようなケースでも頼りになりそうです。10:00開店を待って訪問、事情を説明し出張料も当然支払うので回収の手助けをお願いしたところ、準備するから1時間後に出発しようとのことでした(即対応に感謝)。その後、例のタイカブを積んだ軽トラに同乗し現地に向かいます。

勾配20%越えの激坂
勾配20%越えの激坂

コケで滑る激坂を軽トラで上るのはリスクがあるので、坂の入り口手前200mほどの草むらに駐車。店主はタイカブで先行し現状確認した後、軽トラに積んである必要な道具を取りに来るとのこと。自分は激坂を歩きで後を追うことになりました。軽トラから落下現場までおおよそ約4kmほど(バイクなら30分以内)ですが何せ勾配が20%越えの激坂、昨日の疲れが残っているのと気温も35℃越の暑さですぐに息が上がり、数十メートル歩いては休憩という状態。

また、途中に分岐点もあったので、戻ってきた店主とすれ違ってしまったら困るのと、セローの落下現場で引き上げに使う体力を温存しておきたかったのであまり積極的に登らないようししていました。※戻ってきた店主のタイカブに同乗させてもらおうと考えていた。

ところが、1時間経っても戻ってこないので、ゆっくりなペースで少しづつ登ることにしました。2時間ほど経ってもまだ店主が戻ってこないので、逆に二次災害的なことになっているのではとの考えが頭を過り、ペースを上げて登ることにしました。丸太階段手前の狭い道までたどり着いたところで向こうからやっと店主が現れました(無事でよかった!)。話によると、とりあえずセローを山側に倒した状態にし、ロープでそれ以上落ちない状態に固定したとのこと。すぐに戻らなかったのは現場からふもとまでを往復するのもリスクが高いので、私が登ってくるのを待っていたようです。いずれにせよ、つづら折れと丸太階段を通るには、最低でも前から引く係、バイクの操作、後ろでの押しと支え係3人いたほうがいいとのことで日を改めることとしました。回収はできなかったのですがへとへとです。

帰ってから唯一のバイク友達(GPz400・隼・トリッカー所有)になんとか頼み込んで、日程調整し救援してもらえることになりました。

2日目(1週間後)

1週間も山中にバイクを放置ということで、心配で仕事が手に着かなかったのですが、いよいよ回収日を迎えました。体の疲れや痛みもほとんど回復しましたが、念のため普段は飲むことのないエナジードリンクでドーピング。前回同様、バイク屋の店主とタイカブを積んだ軽トラで向かい、現地で友人(トリッカー君)と合流予定です。合流場所自体はGoogleマップにも表示される目印の建物があるので心配していなかったのですが、約束の時間になってもトリッカー君が現れません。しかも、連絡しようにも携帯圏外です(涙。タイカブをお借りして電波の届くすれすれのところまで降りて、連絡すると「トリッカーのエンジンがかからない」とLINEで返信が・・・。愕然としましたが「なんとか向かう」と再度連絡が・・・。「なんとか」がよくわかりませんが待つしかありません。軽トラを駐車している場所でしばらく待つことにしました。小一時間ほど待っても来ないので、連絡を取ってみようと思い再度タイカブで下っていくと、向こうから緑色のオフ車が・・・。トリッカーではなくカワサキのオフ車(125㏄)でした。なんと、トリッカーのエンジンがかからずにご近所さんから借りたそうです(感謝)。

やっと、3人揃ったのでセロー落下現場手前の行けるところまで向かいます。私はトリッカー君の借りてきたカワサキにタンデムさせてもらいます。あの勾配20%の激坂を歩かなくてすむだけで体力を温存できます。慎重派のトリッカー君には慣れないバイクで激坂をタンデムで上るという過酷なミッションを課してしまって本当に申し訳ない・・・。

激坂1
激坂1
激坂2
激坂2

舗装路はヨロヨロしながらなんとかタンデムで上れたのですが、未舗装路はでのタンデムは危険なのでここから自分だけは歩きで登ります。ここまで(約2㎞)タンデムでこれただけでも体力を十分に温存できました。

未舗装1
未舗装1
未舗装2
未舗装2

下の画像の場所が階段手前の少し開けた場所です。ここにタイカブとカワサキ125を置いてあとは3人で歩いて落下場所まで向かいます。

開けた場所
開けた場所

画像は落下時のものですが、前回店主さんが赤矢印のように山側に向けて倒しておいてくれたのを起こして、引き上げるのではなくオレンジの矢印の方向に慎重に一旦下り、若干平坦な場所まで移動。ここで、準備したバッテリー(約3,000円)に交換して、いざエンジンをかけようとキーを・・・セローのキーを・・・、家に忘れてきてしまいました((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル。一同茫然・・・。だって、普通は家から出てバイクに乗るときに使うものなので、キーを単体で持ち歩かないでしょ!(普通じゃない状況なのに言い訳)。冷静になって考えてみたら、バイクに乗るときにいつも使うサイドポーチに出先で紛失した時用にスペアキーを準備してあるのを思い出しました。ほっと胸をなでおろしドキドキしながらも無事エンジンをかけることができました。

さて、本題はここからです。私がバイクを操作し、店主さんがスリングベルトでフロントを引っ張り、トリッカー君にリアを押してもらいます。「せーのっ!!」の掛け声で少しづつ上げていきます。とにかく足場が悪く、ハンドルが取られリヤタイヤが滑りまくります。3人がかりで何とかクリアしたもののこの時点で息が切れて汗だくです。

次の難所が丸太の階段です。トライアルなんかを経験している人からしたら余裕なのでしょうが、私にはそんな技術も経験もありません。階段を回避して横の斜面を上ることに・・・。ここでも木の根が邪魔してハンドルが取られて思うように進みません。先ほどのつづら折れの時と同様に役割分担して少しづつ上っていきます。

丸太階段上り
丸太階段上り
階段回避経路
階段回避経路

数時間を経て、やっと安全な場所まで移動。バイク屋の店主さん、トリッカー君本当にありがとうございました。下山した後、念のため携行缶に準備したガソリンを給油してもらいました。しかし、帰りの激坂下りも超怖かった・・・。

今回のまとめ

今回のケースだと、相当苦労しましたが結果的にロープなどの引っ張る道具とバイクに乗る(知識のある)人が3人で、なんとかなりました。防止策としては、バイク屋の店主をはじめ多くのネット上の情報でも山道・林道には一人で行かないが基本のようです。さて、どうやって仲間を作るかが今後の課題となりそうです。

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