現代において自動車の加速性能を表すのに使われる「0-100km/h加速」。自分の車がどれくらい速いのか興味がありますよね。以前は某掲示板で「お前のバイクはどのクラスの四輪と同じ加速?」という通称「加速スレ」なるものがあり、バイクとクルマでどっちが速いか一般の人が動画をアップロードして競い、そしてまとめサイトなんかもあり楽しく視聴していました。
さて、今回は主にスポーツカーに搭載されている0-100km/h計測に欠かせない「ローンチ・コントロール」機能。自分の愛車「BMW M235i」にも搭載されているのでそれを使って実際に検証してみました。
ローンチコントロール使用方法(ざっくり版)
① 10㎞以上走る
② DSCスイッチを1回短く押す
③ セレクターレバーを左「M/S」に動かす
④ フットブレーキを強く踏む
➄アクセル・ペダルを全開
⑥メーター内にフラッグ(旗)のマークが表示されたらアクセル全開のまま、ブレーキを離す
※私は説明書をきちんと読まずに②の手順を省いてしまいましたが、ローンチコントロール作動しました。なお、取扱説明書に記載されている正式な方法は後半に記載しておきます。
計測結果
1回目 5.01秒 スポーツモード(ローンチ未使用)
2回目 5.06秒 スポーツ+モード(ローンチ未使用)
3回目 4.25秒 ローンチ・コントロール使用
公式カタログ値が4.8秒だったので、素人計測とはいえ意外と良い結果でした。
(計測方法は動画内でスピードメーターが動き出してから100㎞/ℎを指すまでの時間)
ローンチコントロールとは
完全に停止している車をスムーズに素早く発進させる自動制御技術のこと。エンジンの回転数を調節して、タイヤの空転(ホイールスピン)を防ぐトラクションコントロールシステム(TCS) の一種。
Wikipediaより
「Launch control」 Launch =発射・発進、 Control =制御
要するに、”簡単に急発進ができる装置”で良いかと思います。
ローンチコントロール使用方法 (正式版)
取扱説明書にも操作方法が書いてありますので記載しておきます。(原文ママ)
原理
ローンチコントロールは、ロードホールディングの良い路面での発進の際に最適な加速を実現します。
一般事項
ローンチコントロールの機能は車両に非常に高い負荷をかけるので、この機能の使用により構成部品の摩耗が早まります。
前提条件
ローンチコントロールはエンジン暖気状態で10㎞以上、途中で中断することなく走行した後に使用することができます。ローンチコントロールを使用して発進する際には、ステアリングを切ってはなりません。
- DSCオフボタンを押します、またはDPCスイッチで「Sport+」を選択します。
メーターパネルに「TRACTION」が表示され、DSC OFF表示灯が点灯します。 - セレクターレバーをポジションSにシフトします。
- 左足でブレーキを強く踏みます。
- アクセルペダルを、フルロードポイントでの抵抗を超えて踏み込み、維持します(キックダウン)。
メーターパネル内に、フラッグシンボルが表示されます。 - 発進回転数が制御されます。3秒以内にブレーキを緩めます。
注意事項
ローンチコントロールを再度使用する場合は、その前にトランスミッションを約5分間冷やしてください。再度使用する場合は、ローンチコントロールは周囲条件(濡れた路面など)に適合するように調整されます。
用語解説
- DSC(ドライビングスタビリティコントロール)
DSCは後輪がスリップしたり、前輪が外側にスライドするなどの、不安定な走行状態も検知します。DSCはエンジンの出力の低減や、また個々の車輪へのブレーキ制御により、物理的な限界内で、車両を安全なコースに保つサポートをします。 - DPC(ドライビングパフォーマンスコントロール)
車両の特定の特性を調整できます。この調整をするにあたり、さまざまなプログラムを選択できます。DPCおよび、DSC OFFボタンを操作するたびに、プログラムを1件起動できます。 - DTC (ダイナミックトラクションコントロール)
DTCシステムは、駆動力を最適化したDSCのバリエーションです。
このシステムは、除雪されていない道路やぬかるんだ地面などの特別な道路状況で、走行安定性を制限することで最大の駆動力を保証します。
まとめ
今回のBMW M235iでの0-100km/hの計測結果はローンチコントロール使用で『 4.25秒 』。
注意すべき点としてローンチコントロールを使用するとエンジンやトランスミッションに大きな負荷がかかります。ディーラーの方の話によると1回の使用で通常走行約5000㎞走行したくらいの負荷らしいです。また、作動記録が車両に残るため補償の対象外となる可能性もあるようです。
かつては自動車の加速性能の指標として「ゼロヨン」(停止状態から400mまでの加速時間※正式には1/4マイル=402.33m)が使われていましたが、現在では0-100(ゼロヒャク:停止状態から時速100kmに達するまでの時間)が使われることが多く特に輸入車においてはカタログに表記してあることがあります。
下の動画は製造から6年以上経過した「MICHELINPIROT SUPER SPORT」での検証だったのでローンチコントロールを使用せずに 0-100km/h 計測した時のものです。
–BMW JAPAN公式–